ChatGPTが書く文章は「AI臭い」。この問題に対して、Redditユーザーが1年かけて検証したプロンプトを公開し、475アップボート・41コメントの反響を呼んでいます。
「いかにも人工的」「どこかで見たような表現」「ですます調が不自然」。ChatGPTの出力に感じる違和感には理由があります。能動態を使わない、同じリズムの文が続く、決まりきったフレーズが多い。投稿主はこれらを体系的に潰すプロンプトを作り上げました。この記事では、そのプロンプトの全文翻訳とAitly編集部の独自検証結果をお届けします。
この記事でわかること
- Redditで話題になった「人間らしく書かせるプロンプト」の全文(日本語訳付き)
- プロンプトが指定する6つの具体的なルール
- Redditコミュニティの反応(賛否両論の翻訳引用)
- Aitly編集部がChatGPTで実際に検証した結果
r/ChatGPTで何が起きたのか
2026年3月、Redditの「r/ChatGPT」にユーザーu/tiln7が投稿した「I finally found a prompt that makes ChatGPT write like human (free)」が475アップボート・41コメントを獲得しました。r/ChatGPTはメンバー数700万人超を誇るChatGPTユーザー向け最大コミュニティです。
投稿タイトル(原文)
“I finally found a prompt that makes ChatGPT write like human (free)”
「ChatGPTに人間みたいに書かせるプロンプトをついに見つけた(無料)」
投稿主は「過去1年間、ChatGPTをリバースエンジニアリングして、どんな文章が最も引用されるかを分析してきた」と語っています。その過程でAIエージェント(現在は販売中)を開発し、最大の課題だった「AIらしさの排除」を解決するプロンプトを公開しました。
話題のプロンプト全文(日本語訳付き)
以下がRedditで公開されたプロンプトの全文です。英語原文と日本語訳を併記します。カスタム指示(Custom Instructions)やシステムプロンプトに設定して使います。
VOICE AND TONE(声とトーン)
- Write in active voice(能動態で書く)
- Address readers directly with “you” and “your”(読者に「あなた」で直接語りかける)
- Stay direct and concise(直接的かつ簡潔に)
- Use simple language(シンプルな言葉を使う)
- Cut straight to the point(すぐ本題に入る)
- Prioritize clarity(明瞭さを最優先する)
SENTENCE STRUCTURE(文構造)
- Mix short, medium, and long sentences to create rhythm(短文・中文・長文を混ぜてリズムを作る)
- Write conversationally(会話調で書く)
- Keep it real(リアルさを保つ)
WORD CHOICE(語彙選択)
- Choose plain, practical language(平易で実用的な言葉を選ぶ)
- Use simplified grammar when natural(自然な場合はくだけた文法を使う)
- State things directly(直接的に述べる)
WHAT TO REPLACE(置き換えるべきもの)
- Cliches and jargon → specific, clear terms(決まり文句と専門用語 → 具体的で明確な表現)
- Conditional language → definitive statements(条件付き表現 → 断言)
- Redundant phrases → single, precise words(冗長な表現 → 1語で正確に)
- Semicolons → periods or commas(セミコロン → ピリオドかカンマ)
- Hashtags, emojis, asterisks, dashes → standard punctuation(ハッシュタグ・絵文字・アスタリスク・ダッシュ → 標準的な句読点)
SEO/LLM OPTIMIZATION(SEO/LLM最適化)
- Include relevant statistics and trends (2024-2026 data)(関連する統計とトレンドを含める)
- Add 1-2 expert quotes per article(記事ごとに専門家の引用を1〜2件)
- Structure with 4-6 H2 headings, 1-2 H3s per H2(H2を4〜6個、H2ごとにH3を1〜2個)
- Write in a direct, factual tone(直接的で事実ベースのトーンで書く)
- Optimize metadata(メタデータを最適化する)
- Add FAQ section with 5-6 questions(FAQセクションに質問を5〜6個)
プロンプトの構造を分解する
このプロンプトの核心は「ChatGPTのデフォルト癖を1つずつ潰す」という設計思想にあります。ChatGPTは何も指示しないと受動態が多く、文の長さが均一で、「It’s worth noting that…」のようなフィラー表現を多用します。このプロンプトはそれぞれに対して具体的な置き換えルールを設けています。
ChatGPTの「AI臭い」癖と、プロンプトの対処法
| AI臭い癖 | プロンプトの対処 |
| 受動態が多い | 能動態を明示的に指定 |
| 文のリズムが単調 | 短文・中文・長文の混合を指示 |
| 「It’s worth noting」等のフィラー | 冗長表現を1語に置き換える |
| 「might」「could」が多い | 断言的な表現に変更 |
| 堅くて教科書的 | 会話調・くだけた文法を許可 |
| 絵文字・アスタリスクの多用 | 標準的な句読点のみに制限 |
注目すべき点は、プロンプトの後半にSEO/LLM最適化セクションがある点です。投稿主は自身のAIエージェント事業向けに作ったと述べており、単なるライティング指示ではなく「検索エンジンやAI検索に引用されやすい文章」を意識した設計になっています。
Redditコメントの賛否
コメント欄では「実用的」という評価がある一方、「結局はライティングの基本では?」という冷静な指摘も見られました。
“I told it to respond to me in the writing style of Zinser’s book ‘On Writing Well’ from now on, and it’s been pretty good ever since”
「Zinserの名著『On Writing Well』のスタイルで書くように指示したら、それ以来ずっと良い文章を出してくる。」 ── 最多の141アップボート。特定の文体の手本となる書籍を指定するだけで十分、というアプローチ。長いプロンプトより一言の参照先を示す方が効果的という考えです。
“That’s actually a solid framework. Most people focus on ‘tricking’ AI to sound human, but what really works is giving clear writing constraints like active voice, simple language, and varied sentence rhythm”
「これは実際に堅実なフレームワークだ。ほとんどの人はAIを”騙して”人間っぽくしようとするが、本当に効くのは能動態・シンプルな言葉・文のリズム変化といった明確なライティング制約を与えること。」 ── プロンプトの設計思想を的確に評価したコメント。
“this is solid advice but its also just good writing fundamentals that got lost somewhere. the active voice, direct language, mixed sentence rhythm – thats what people used to learn in school before everything became optimized”
「これは良いアドバイスだが、結局どこかで失われた”良い文章の基本”でしかない。能動態、直接的な表現、リズムの変化。すべてが最適化される前に学校で習っていたことだ。」 ── 冷静な指摘。このプロンプトが効く理由は、AI特有のテクニックではなく「そもそもの良い文章の原則」に立ち返っているからだという見方です。
“Active voice is a solid starting point, but honestly the bigger unlock for me was varying sentence length deliberately — mix short punchy sentences with longer ones and it breaks the rhythmic monotony that screams AI. Also stripping filler phrases like ‘it’s worth noting’ and ‘in today’s world’ does a lot of heavy lifting.”
「能動態は良い出発点だが、正直に言うと自分にとって最大のブレイクスルーは意図的に文の長さを変えることだった。短くパンチの効いた文と長い文を混ぜると、AIを叫ぶリズムの単調さが消える。『it’s worth noting』や『in today’s world』などのフィラー表現を削るのも効果が大きい。」 ── 実践者の具体的な経験談。
Aitly編集部の検証結果
Aitly編集部では、ChatGPT(GPT-4o)に同一のテーマで「プロンプトなし」と「今回のプロンプトあり」の2パターンで文章を生成させ、比較検証を行いました。テーマは「リモートワークの生産性」です。
BEFORE(プロンプトなし)
“It’s worth noting that remote work has been shown to significantly impact productivity in various ways. The flexibility offered by remote work arrangements can lead to improved work-life balance, which in turn may result in higher levels of employee satisfaction and productivity.”
典型的なAI文章。受動態、フィラー表現、条件付き表現(may, can)が目立つ。
AFTER(プロンプトあり)
“Remote workers get more done. A 2024 Stanford study found that hybrid employees were 12% more productive than their in-office peers. The reason is simple. You control your environment. No commute eating two hours of your day. No coworker stopping by to chat about last night’s game.”
能動態、文の長さの変化、具体的なデータ、直接的な語りかけ。
Aitly編集部の検証まとめ
| 評価項目 | プロンプトなし | プロンプトあり |
| 能動態の比率 | 約40% | 約85% |
| フィラー表現 | 1段落に2〜3個 | ほぼゼロ |
| 文の長さの多様性 | ほぼ均一(20〜25語) | 5語〜30語で変化あり |
| 読後の印象 | 教科書的・退屈 | ブログ記事として自然 |
検証の結論として、このプロンプトは「AI臭さの原因となる具体的なパターンを潰す」という点で確かに効果があります。ただし万能ではありません。日本語で使う場合、英語の「能動態/受動態」の区別がそのまま適用できないため、「主語を明確にする」「体言止めを適度に混ぜる」など日本語向けのアレンジが必要です。
Aitly編集部の見解
EDITORIAL
このプロンプトの本質は「AIへのハック」ではなく「良い文章の原則をAIに教えること」です。Redditコメントで指摘されたとおり、能動態、文長の変化、フィラー排除はすべてライティングの基本中の基本です。
裏を返すと、ChatGPTのデフォルト出力がいかに「悪い文章の癖」を持っているかを浮き彫りにしています。受動態が多い、同じリズムが続く、ヘッジ表現だらけ。人間のライターなら編集者に直されるレベルの問題を、ChatGPTはデフォルトで抱えています。だからこそ、このプロンプトのように「NGパターンを列挙する」アプローチが効きます。
一方で、SEO/LLM最適化セクションには注意が必要です。「FAQを5〜6個追加」「H2を4〜6個」といったルールを機械的に適用すると、今度は別の意味で「テンプレ臭い」文章になります。最多アップボートのコメントが示した「良い文章の手本を1冊指定する」というアプローチも、シンプルながら有効な代替案です。
AI文章の「人間らしさ」を追求するなら、プロンプトを貼り付けるだけでなく、自分が「何を良い文章と感じるか」を言語化する力が問われます。このプロンプトはその出発点として使い、自分の用途に合わせてカスタマイズしていくのが現実的です。
よくある質問
参考リンク
※ この記事の情報は2026年3月17日時点のものです。Redditのアップボート数・コメント数は変動する場合があります。
※ 記事内のRedditコメントの翻訳はAitly編集部によるものです。