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この記事のポイント
- Google LabsのAI UIデザインツール「Stitch」が大型アップデート
- 音声ライブモード「Hatter」で会話しながらリアルタイムUIデザインが可能に
- 生成したデザインをReactアプリとして出力、Figmaエクスポートも対応
- Googleが「Vibe Design(バイブデザイン)」というコンセプトを提唱
- 発表翌日にFigma株が8.8%下落、SaaS業界にAI破壊の波
Google Stitchとは
StitchはGoogle Labsが提供するAIネイティブのUIデザインツールだ。テキストプロンプト・スケッチ・スクリーンショット・ワイヤーフレームから高品質なUIデザインとフロントエンドコードを生成する。2025年5月のGoogle I/Oで初公開され、2026年3月19日の大型アップデートで「Vibe Design(バイブデザイン)」プラットフォームへと進化した。
Gemini 2.5 Flash(Standardモード)とGemini 2.5 Pro(Experimentalモード)を搭載し、月間350画面(Standard)+ 200画面(Pro)まで無料で利用できる。
大型アップデートの新機能
音声ライブモード「Hatter」
最大の目玉がボイスライブモード「Hatter」エージェントだ。AIに声で話しかけると、リアルタイムでUIが構築されていく。8種類の音声オプションが用意されており、応答中はグローイングハローのアニメーションが表示される。プロンプトを入力するのではなく、デザインディレクターのようにAIと対話しながらデザインを進める新体験だ。
React出力 + Figmaエクスポート
生成したデザインは単なるモックアップではなく、完全に動作するReactアプリケーションとしてエクスポートできる。AI StudioまたはローカルのReact環境に直接出力可能だ。Figma形式でのエクスポートにも対応し、Auto Layoutコンポーネント+編集可能レイヤーとして出力される。
その他の新機能
3D空間ワークスペース
フラットキャンバスから没入型の空間デザイン環境へ
画面自動提案
「Imagine more screens」でフローに不足している画面をAIが提案
QRコード共有
プロトタイプをQRコードで共有しユーザーリサーチに活用
「Vibe Design」とは──プロンプトから「ディレクション」へ
Googleが提唱する「Vibe Design」は、「Vibe Coding(バイブコーディング)」のデザイン版だ。厳密なプロンプトを書くのではなく、意図・トーン・全体的なビジョンを伝えるだけでAIが高品質なUIを生成する。テクニカルな仕様書を書く作業から、クリエイティブディレクションへとデザイナーの役割が変化することを意味している。
Figma株8.8%下落──SaaSにAI破壊の波
Stitch大型アップデートの発表を受け、Figma(NYSE: FIG)の株価は3月18日に8.8%下落した。FIG株は2026年1月の高値から53%下落、2025年10月の高値約64ドルからは61%の下落となっている。TipRanksは「Google Labsのアップデート発表後に8%下落」と報じた。
Figmaが無料で月に数百画面の高品質UI生成を可能にするGoogleの無料ツールに直接脅かされているのは明らかだ。VentureBeatは「すべてのWebサイトをエージェント対応に」と表現し、Forbes は「エージェント型Webのバックボーン」とまで評した。SaaS業界全体にAIによる破壊の波が広がっている。
まとめ──デザインツールのゲームチェンジャーか
Google Stitchは「プロンプトからUI」ではなく「会話からReactアプリ」へとAIデザインの段階を一つ引き上げた。Gemini 2.5搭載で月350画面まで無料、Figma/React両方にエクスポート可能というスペックは、特にスタートアップや個人開発者にとって圧倒的なコストメリットだ。プロのデザイナーにとっても、ラフアイデアの高速プロトタイピングツールとして活用価値がある。
よくある質問