Google「Stitch」大型アップデート|音声でUIデザイン、React出力、Figma株8.8%下落の衝撃

|Aitly編集部

AIニュース

2026年3月19日 Aitly編集部

この記事のポイント

  • Google LabsのAI UIデザインツール「Stitch」が大型アップデート
  • 音声ライブモード「Hatter」で会話しながらリアルタイムUIデザインが可能に
  • 生成したデザインをReactアプリとして出力、Figmaエクスポートも対応
  • Googleが「Vibe Design(バイブデザイン)」というコンセプトを提唱
  • 発表翌日にFigma株が8.8%下落、SaaS業界にAI破壊の波

Google Stitchとは

StitchはGoogle Labsが提供するAIネイティブのUIデザインツールだ。テキストプロンプト・スケッチ・スクリーンショット・ワイヤーフレームから高品質なUIデザインとフロントエンドコードを生成する。2025年5月のGoogle I/Oで初公開され、2026年3月19日の大型アップデートで「Vibe Design(バイブデザイン)」プラットフォームへと進化した。

Gemini 2.5 Flash(Standardモード)とGemini 2.5 Pro(Experimentalモード)を搭載し、月間350画面(Standard)+ 200画面(Pro)まで無料で利用できる。

大型アップデートの新機能

音声ライブモード「Hatter」

最大の目玉がボイスライブモード「Hatter」エージェントだ。AIに声で話しかけると、リアルタイムでUIが構築されていく。8種類の音声オプションが用意されており、応答中はグローイングハローのアニメーションが表示される。プロンプトを入力するのではなく、デザインディレクターのようにAIと対話しながらデザインを進める新体験だ。

React出力 + Figmaエクスポート

生成したデザインは単なるモックアップではなく、完全に動作するReactアプリケーションとしてエクスポートできる。AI StudioまたはローカルのReact環境に直接出力可能だ。Figma形式でのエクスポートにも対応し、Auto Layoutコンポーネント+編集可能レイヤーとして出力される。

その他の新機能

3D空間ワークスペース

フラットキャンバスから没入型の空間デザイン環境へ

画面自動提案

「Imagine more screens」でフローに不足している画面をAIが提案

QRコード共有

プロトタイプをQRコードで共有しユーザーリサーチに活用

「Vibe Design」とは──プロンプトから「ディレクション」へ

Googleが提唱する「Vibe Design」は、「Vibe Coding(バイブコーディング)」のデザイン版だ。厳密なプロンプトを書くのではなく、意図・トーン・全体的なビジョンを伝えるだけでAIが高品質なUIを生成する。テクニカルな仕様書を書く作業から、クリエイティブディレクションへとデザイナーの役割が変化することを意味している。

Figma株8.8%下落──SaaSにAI破壊の波

Stitch大型アップデートの発表を受け、Figma(NYSE: FIG)の株価は3月18日に8.8%下落した。FIG株は2026年1月の高値から53%下落、2025年10月の高値約64ドルからは61%の下落となっている。TipRanksは「Google Labsのアップデート発表後に8%下落」と報じた。

Figmaが無料で月に数百画面の高品質UI生成を可能にするGoogleの無料ツールに直接脅かされているのは明らかだ。VentureBeatは「すべてのWebサイトをエージェント対応に」と表現し、Forbes は「エージェント型Webのバックボーン」とまで評した。SaaS業界全体にAIによる破壊の波が広がっている。

まとめ──デザインツールのゲームチェンジャーか

Google Stitchは「プロンプトからUI」ではなく「会話からReactアプリ」へとAIデザインの段階を一つ引き上げた。Gemini 2.5搭載で月350画面まで無料、Figma/React両方にエクスポート可能というスペックは、特にスタートアップや個人開発者にとって圧倒的なコストメリットだ。プロのデザイナーにとっても、ラフアイデアの高速プロトタイピングツールとして活用価値がある。

よくある質問

Stitchは日本から使える?
Google Labsの実験として提供されており、stitch.withgoogle.comからアクセス可能。Googleアカウントがあれば日本からも利用できる。
生成されたコードの品質は?
Reactアプリとして出力される。プロダクション品質とまでは言えないが、プロトタイプやMVP(最小限の実用プロダクト)としては十分実用的。Figma形式でのエクスポートはAuto Layoutコンポーネント付きで編集可能。
Figmaの代替になる?
現時点ではFigmaの完全な代替にはならない。Figmaの強みであるチーム内リアルタイムコラボレーション、デザインシステム管理、プラグインエコシステムはStitchにはまだない。ただし個人のプロトタイピング速度ではStitchが圧倒的に速い。