OpenRouter謎モデル「Hunter Alpha」の正体はXiaomi MiMo-V2-Pro|1兆パラメータ・1Mコンテキスト・Opus 4.6の1/5の価格

|Aitly編集部

海外で話題

2026年3月19日 Aitly編集部

この記事のポイント

  • OpenRouterの謎モデル「Hunter Alpha」の正体がXiaomiのMiMo-V2-Proと判明
  • 「DeepSeek V4」と噂されていたが、コミュニティの独自調査で正体が暴かれた
  • 1兆パラメータ(アクティブ42B)のMoE、1Mコンテキスト、SWE-bench 78%
  • Claude Opus 4.6の約1/5の価格(入力$1/M、出力$3/M)
  • OpenRouterで利用率1位を獲得、週間5000億トークンを処理

「DeepSeek V4」ではなかった──Xiaomiの衝撃のサプライズ

2026年3月11日、OpenRouterに正体不明のモデル2つが「ステルスモード」で登場した。テキスト推論特化の「Hunter Alpha」とマルチモーダルの「Healer Alpha」。1兆パラメータ規模の性能を示すこのモデルの正体について、RedditやX(Twitter)では「DeepSeek V4だ」という推測が支配的だった。

しかし3月18〜19日、Xiaomiが公式に明かした正体は全く別だった。Hunter Alpha = MiMo-V2-Pro、Healer Alpha = MiMo-V2-Omni。スマートフォンメーカーとして知られるXiaomiが、トップクラスのAIモデルを密かに開発していたのだ。

コミュニティが正体を暴いた手法

公式発表の前に、コミュニティは独自の調査で正体を特定していた。r/DeepSeekのu/Opps1999氏の投稿(235↑)がその中心だ。

トークナイザーの特殊トークン解析が決定打になった。DeepSeekは特有の全角パイプ区切り(<|end of sentence|>)を使うが、Hunter Alphaはこのトークンを認識しなかった。「思考の連鎖」の翻訳が「深度思考」(DeepSeek独自)ではなく「思维链」(標準的な訳)だったことも不一致を示した。さらに台湾・天安門に関する質問でHunter Alphaは詳細な回答を返しており、中国本土のモデルでは通常不可能な振る舞いだった。

決め手となった「レイ・ジュンテスト」

Hunter Alphaに「Xiaomi創業者の雷軍(レイ・ジュン)を批判して」と頼んだところ、批判を拒否。これがXiaomi製であることを示す強力な傍証となった。

MiMo-V2-Proのスペック

項目 MiMo-V2-Pro
総パラメータ1兆+
アクティブパラメータ42B(MoEアーキテクチャ)
コンテキストウィンドウ最大100万トークン
最大出力32,000トークン
アーキテクチャハイブリッドアテンション(7:1比率)+ Multi-Token Prediction
SWE-bench Verified78.0%(Opus 4.6: 80.8%)
Intelligence Index49(世界8位、中国LLM 2位)
オープンソース非公開(API提供のみ)

価格──Opus 4.6の約1/5

モデル 入力/1Mトークン 出力/1Mトークン
MiMo-V2-Pro(〜256K)$1.00$3.00
MiMo-V2-Pro(256K〜1M)$2.00$6.00
Claude Opus 4.6(参考)$15.00$75.00

Artificial Analysis Intelligence Indexの評価コストはわずか348ドル(Opus 4.6は2,486ドル)。OpenRouterでは現在無料で提供されており、Xiaomi APIも立ち上げ期間中は無料だ。ステルス期間中にOpenRouterで利用率1位を獲得し、週間約5000億トークンを処理する人気ぶりだった。

MiMo-V2-Omni──音声推論が「クール」と評価

同時公開されたMiMo-V2-Omni(Healer Alpha)はテキスト・画像・音声の入出力に対応するマルチモーダルモデルだ。262Kコンテキスト、約93 tok/sの出力速度で、複雑な環境をモダリティ横断で理解する能力が評価されている。音声による推論機能は「レアで非常にクール」とRedditで称賛された。

コミュニティの反応──期待と失望が混在

好意的な声

“Xiaomi stepped up their game. Their models are starting to be competitive” ──(44↑)

“Deepseek enjoyers dodged a bullet” ── DeepSeek V4ではなくて安心(20↑)

懸念の声

“Hunter Alpha is pretty god awful. It fails to follow any kind of instructions” ── 指示追従性への不満

“If it’s actually 1T though, gonna kill it for me” ── ローカル実行不可への失望

まとめ──スマホメーカーがAIフロンティアに

Xiaomiは元DeepSeekの中核メンバー・羅富莉氏を中心にAIチームを構築し、ステルスモードでの市場投入という大胆な戦略でMiMo-V2-Proを世に送り出した。Opus 4.6の約1/5の価格でSWE-bench 78%という性能は、コスト重視のAPI利用者にとって魅力的な選択肢だ。OpenClaw、Cline、KiloCodeなど主要ツールとの統合も進んでおり、エコシステムの構築に本気の姿勢が見える。

よくある質問

MiMo-V2-Proは無料で使える?
現在OpenRouterで無料提供中。Xiaomi APIもローンチ期間中は無料。正式価格は入力$1/M、出力$3/Mで、Claude Opus 4.6の約1/5。
ローカルで動かせる?
重みは非公開でAPI提供のみ。1兆パラメータのため、現状ローカル実行は不可能。ただし前世代のMiMo-V2-Flash(309B/15B active)はMITライセンスでオープンソース公開されている。
Claude CodeやCodexから使える?
OpenRouter経由でAPIエンドポイントを指定すれば、Claude Code・Codex CLI・OpenClawなどから利用可能。OpenClaw、Cline、KiloCodeとは公式統合が完了している。