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この記事のポイント
- Ramp AI Index(2026年3月)で、AI初導入企業の73%がAnthropicを選択
- 2025年12月の約40%からわずか10週間で逆転、OpenAIは約27%に低下
- Anthropicの年間収益ペースは約190億ドルに到達(2025年末の90億ドルから倍増)
- Claude Codeのコーディング能力とエンタープライズ統合が主因
- ただし「初回導入企業」のデータであり、総市場シェアではない点に注意
10週間で40%→73%──Ramp AI Indexが示す大逆転
フィンテック企業Rampが公開したAI Index(2026年3月版)によると、AIツールを初めて導入する企業の73%がAnthropicを選択している。Axiosの報道で注目を集めたこのデータは、2025年12月時点の約40%からわずか10週間で劇的に逆転したことを示している。
Rampは法人カード・経費管理SaaSとして企業の実際の支出データを追跡しており、アンケートベースの調査ではなく実支出に基づく数字だ。r/ClaudeAIでは112↑の反響を集め、「エンタープライズ初回導入」という条件付きデータであることが議論されている。
市場シェアの推移
Ramp AI Indexの全体像
Rampのデータはより広い市場動向も示している。AI関連サービスに支出している企業の割合は過去最高の47.6%に到達。Anthropicを利用する企業は24.4%で、1年前の約4%から6倍に成長した。月次成長率4.9%はAnthropicの過去最大値だ。対照的に、OpenAIは月次1.5%の減少を記録しており、これも過去最大の落ち込みとなった。
24.4%
Anthropic利用企業率
4.7%
Google Gemini利用率
<2%
xAI (Grok) 利用率
なぜAnthropicが急成長しているのか
Redditの議論やAxiosの分析を総合すると、Anthropicの急成長には4つの要因がある。
第一に、Claude Codeのコーディング能力だ。r/ClaudeAIのコメントでは「コーディング能力は他の全員を大きく引き離している」(1↑)と評価されている。ソフトウェア企業がAIツールに最も投資する領域がコーディングであり、ここでのリードがエンタープライズ契約に直結している。
第二に、エンタープライズワークフロー統合の充実。インラインビジュアライゼーション、プロジェクトファイルのカスタマイズ、スキルシステム、コネクタなど、日常業務に組み込みやすい機能が揃っている。
第三に、OpenAIの「多角化」による焦点分散。OpenAIはSora(動画生成)、Atlasブラウザ、EC事業、ハードウェアデバイスなど消費者向け製品に経営リソースを分散させている。OpenAIのアプリCEO Fidji Simo氏はAnthropicの成功を「ウェイクアップコール」と呼び、エンタープライズへの再集中を表明した。
第四に、エコシステムのロックイン効果。AnthropicとOpenAIのプラットフォーム上のアプリはそれぞれ200以上あるが、重複はわずか11%。一度選んだプラットフォームからの移行コストが高い。
収益比較──OpenAIはまだ首位
現時点ではOpenAIが総収益でリードしている。ただしAnthropicの成長率がOpenAIの約3倍であり、このペースが続けば2026年半ばには逆転するとEpoch AIは予測している。OpenAIの消費者向けサービスではトークンコストの補助(赤字提供)が行われているため、エンタープライズ収益での比較はさらにAnthropicに有利になる。
注意点──「73%」の正しい読み方
Redditでも指摘されているが、この73%は「AIツールを初めて導入する企業」の選択割合であり、AI市場全体のシェアではない。既存のOpenAIユーザーがAnthropicに乗り換えた数字ではなく、新規参入企業がどちらを選ぶかのデータだ。また、OpenAIを利用している企業の79%がAnthropicにも支出しており、完全なゼロサム競争ではない。Fortune 500の複数の幹部がAxiosに対し「まだ1社に絞りたくない」と述べている。
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